画像処理システム2

画像処理

このブログの最初で、「理想的な画像システムとは、何もしないシステムです」と書きました。どういうことでしょうか?

そもそも、画像システムとは、非常に広いダイナミックレンジがある外界のシーンを動画、静止画として切り取り、作画意図のとおりに、出力するシステムですね。

外界の輝度としては、10の-2乗CD/m^2から10の5乗CD/m^2位あるダイナミックレンジのすべてを受光して、出力できるメディアは今ありません。人間の視覚系はよく感度調節機能があり、広いダイナミックレンジを受光できますが、それでもすべてはカバーできません。ましてや、今手に入る撮像センターはもっと狭く、様々な感度調節機能を駆使してやっと実用になる範囲をカバーしているのが現状です。そのようにして入力した画像映像情報は、なんとかして、ダイナミックレンジの狭さを補正して、違和感のない画像映像情報に変換して出力している。これが、現在の画像処理システムに課された役割なのです。今後、技術革新が進んで、すべてのダイナミックレンジをカバーできるようになれば、このような機能は必要なくなり、画像処理システムの役割も終えるわけですが、そのような状況になるのは、まだ先のことでしょう。

これからこのブログでは、どのようにして、このダイナミックレンジの狭さをカバーしているのか、詳しく見ていくのが大きなテーマになります。まず入力装置であるカメラからです。次に入出力共通のハイダイナミックレンジイメージングやカラーマネージメントの処理、そしてプリンター(ハードコピー)の2値化、ハーフトーニング、最後にディスプレイ(ソフトコピー)で用いられている画像処理を説明していきます。

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